ヴィラ・ロンカッリを遡って
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瀟洒ながらも飾り気のないこのヴィラの外観でひと際目を惹く、繊細な彫刻の施された白大理石の柱。その奥にはスコラストラ一家がお客様を迎えるレセプションがあります。数々のアンティーク家具や古美術、壁を飾る絵画、天井のフレスコ画に中央から堂々と下がる美しいシャンデリア……。それでもそこに気取った気配が微塵も感じられないのは、この一家の心地よいフレンドリーな接客故でしょう。ここでは静かでプライベートな時間がゆったりと流れます。 |
ヴィラの歴史は古く、1690年に狩猟用の館として広大な緑の中に本館と離れが建てられました。その後ロンカッリ伯爵(1844 - 1910)の手によっておおよそ現在の様な屋敷の姿となりました。ロンカッリ伯爵は大胆でロマンチックな自由人だったようで、無類のギャンブル好きが身を滅ぼす事となり、屋敷は手放されます。その後1980年代にスコラストラ家によりヴィラは全面修復されホテルレストランとしてオープンします。熱心なアンティークコレクターでもあるアンジェロ・スコラストラの手にかかったこのヴィラは、洗練されたエレガンスと同時に今なお田舎風の風情をも兼ね備え、現在に至ります。 |